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2023.07.14 M&Aにおける株式譲渡と事業譲渡の選択

(1)株式譲渡のケース                                                                                    株式譲渡は株主が変わるだけで、権利義務を包括的に承継します。つまり会社の債権債務や従業員との雇用もそのまま承継されるため、顧客との契約関係や従業員との雇用契約、就業規則、労使協定等にも注意を払う必要があります。その他に株式譲受会社には、譲渡時会社の債権者や債務者も保護する必要があり、保証債務等潜在債務についても取引関係書類の契約を確認して、結果としては企業価値を損なうことが無いようにしなければいけません。なお、現実的には、詳しく調査するには、費用対効果や重要性を勘案して必要な範囲で契約の確認を行うのが通常となっています。

(2)事業譲渡のケース                                                                                              事業譲渡を行う場合には、権利義務関係は個別に承継することとなります。譲渡対象会社の従業員を譲り受け会社が同条件で雇用する場合には、一旦解雇後、新規雇用する方法と、労働者の承諾は必要となりますが、譲渡会社と譲り受け会社との間で、使用者の権利を譲渡する方法もあります。なお、雇用以外の部分においては、一部事業譲渡や全部事業譲渡のいずれにおいても、会社の将来に重要な影響を及ぼすため、株主の利益を保護する必要があります。事業譲渡に反対する株主に対しては、反対株主の株式買取請求権が発生し、事業の全部譲渡においては譲渡・譲受双方の会社が反対株主を保護する手続きが会社法上で規程されています。