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2026.01.28 相続時に終末介護を行った者からの請求は法律上可能か?

 人は誰しも、終末をいつかは迎えることとなりますが、それまでに介護を行ってくれた方に対し、遺産を取得した相続人等は介護料を支払う義務が生ずるのかという問題が発生します。

 遺産は、生前の被相続人(今回亡くなられた方)の遺言、若しくは遺産分割協議書で分配されることとなりますが、遺言で、全ての財産が相続人等に分配された場合には、終末介護を行った者に対する遺産分配の問題は発生しません。ただし全ての遺産が遺言書に書かれているとは限りません。

 相続が発生した場合、相続人全員が参加対象となる遺産分割協議書を作成する必要が生じますが、相続人の中で終末介護を無償で行ったため、介護を行った相続人自身が協議において、終末までにかかった費用を主張するケースがあり、この場合には、寄与分を考慮した遺産分割協議書を作成することもあります。

 他に相続人以外の方が、無償限定で、週末介護を行った場合はどうでしょうか。結論は、被相続人の6親等内の血族及び3親等内の姻族に対しては「特別の寄与」制度があります。例えば、被相続人の兄弟姉妹や、実子の配偶者から終末介護が行われた場合が該当します。

なお上記の「特別の寄与」制度では以下の要件があります。                                                                                              ①週末介護を無償で行った被相続人の6親等内の血族及び3親等内の姻族(以下、特別寄与者)であること。                                              ②特別寄与者が相続開始及び相続人を知ったときから6か月以内に請求すること                                                                                                        ③相続開始から1年を経過していないこと 

 上記①②③の条件に当てはまる場合には、特別寄与者と相続人全員で協議して決定することとなります。しかし整わない場合には、家庭裁判所に対し、遺産分割協議に代わる処分請求をすることが出来ます。家庭裁判所では、遺産分割の紛争が複雑化、長期化を避けるため、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して特別寄与料の額を決めることとなります。

 特別寄与者に対する特別寄与料の支払いが確定した場合、税務上は遺言による遺贈と同じ手続きで処理されますが、相続税額が発生した場合には2割加算対象者となることになります。相続人の場合には、特別寄与料の支払いが、債務控除の対象として相続財産等から控除することとなります。なお、一旦、申告提出が終了している場合には、更生の請求で、還付を受けることとなります。