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2023.07.14 廃業か事業承継かの選択

(1)事業承継とは、経営に関する権利財産、経営理念などを後継者に引き継いでいく事であるが、どの企業もいつかは事業承継問題に直面するにも関わらず、必ずしも事業承継の準備を行っているとはいえない状況が目に付きます。少子化が原因の後継者難や、現経営者と後継者とのコミュニケーション不足から、事業承継が円滑に進んでいない企業もあり、外部事業承継のM&Aも視野に入れて事業継続を考えて行かなければ、廃業という結果になりかねません。

(2)事業承継を受ける場合には、従業員からの信頼、リーダ-シップ、統率力等の資質能力が問われます。引き継いだ役員、従業員の士気を低下させるどころか、反発や独立といった行為まで発生する事態になることもあります。

(3)後継者の選定は事業承継の成否を決定する重要な取り組みなので、事業承継について後継者の候補の同意を得た上で、必要な育成を行いつつ、親族・従業員、取引先等の関係者とも対話を進めていく必要があります。なお、その際には企業情報が外部に漏れることの配慮をする必要もあります。

(4)後継者への円滑な事業承継は、短期間で実現できるものではないため、危機管理の観点から経営者が不在となった場合に、誰が指揮をどのようにとるのかを想定することも大事です。そのためには、経営を行うための知識やスキルを習得する十分な時間を必要とするため、経営者親族・役員・従業員など年齢や立場を超えて取り組んでいくことが大事です。

(5)新規事業として同種の事業を立ち上げようと考えている第三者からみると、既に経営以外のノウハウは出来上がっていて廃業を考えている事業は非常に魅力的にみられます。M&A市場においては、事業の売手よりも買手のほうが圧倒的に多く、仲介業者の手数料が売手買手双方から1000万円を支払って成立する取引もあるという現実も知っておくべきです。廃業を考えておられる事業者様には、経営者ご自身で悩むのではなく、事業承継のプロと言われている方々に是非ご相談されることをお勧め致します。