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2022.03.17 民法上の遺言に代わる遺言代用信託について

 遺言代用信託とは、主に、委託者の死亡時に、受益者として指定された者が受益権を取得する信託であり、委託者が死亡するまでは受益者としての権利を有しない信託(信託法90条2項)です。

 通常の遺言代用信託では、委託者は第一受益者を決定しますが、万が一第一受益者が死亡した場合には第二受益者へ、第二受益者が死亡した場合には、その後の受益者をあらかじめ決めておくことができる制度となっています。従来の民法の遺言では、できない仕組みとなっています。

 遺言代用信託は契約によって設定されますが、この設定によって遺言の代用となる効果が期待できます。また、契約信託は原則として委託者、受託者及び受益者の合意によらねば変更はできませんが(信託法149条1項)、遺言代用信託では委託者が受益者を変更する権利を有し、これは遺言によっても行使することが出来ます。